昨夜からの雨も上がって、明るい陽射しがもどり、爽やかな風の吹くわが家の庭では、紅紫のボタンが見頃を迎えています。雪柳やレンギョウは散ってしまい、椿の花も少なくなって若葉が勢いよく伸び始めた中で、ブルーベリーの白い花が心地よさそうに風に揺られています。陰になった草叢ではオドリコソウらが薄紫の可憐な花をつけています。今年は鉢植えのエビネ蘭の花つきもよくて、朝眺めたり、一気に芽の吹き出したミントを摘んで紅茶に入れて楽しむのも日課の一つとなっています。家を一歩出ると隣家の柿若葉の緑が目に沁み込んできますし、いちじくの葉も日々に大きくなっていきます。仏舎利塔に通じる坂道を行くと周囲の雑木林は緑一色の世界。山あいの谷間では、田起こしを終えた田が黒々と広がり、その中には既に田植えを終えたものもあります。苗はしっかりと根付き、空の青や周りの山の緑を映し、夕陽の沈む頃に、水がピンクに染まる光景もまた素晴らしい。契約栽培をお願いしているA氏の田圃です。4月20日頃の雨は穀雨といい、全ての穀物を潤すといわれます。またこの時期に種蒔きすると、植物の成長に欠かせない雨に恵まれるともいわれます。お盆前に収穫したいというA氏の願いが実現するように、私達も祈っているところです。
 道の駅では、河津桜もソメイヨシノもすっかり葉桜となり、今はハナミズキが橙色の花をつけています。物産館では、苺、竹の子、蕗、ワラビ、ウド、エンドウ、ソラ豆、新玉葱などが店頭に並び、お魚市場では、甲イカ、チヌ、スズキ、アナゴなど旬の魚が揃っています。新鮮な食材を調理して家族で食事を囲むのもこの季節ならではの楽しみの一つでしょう。この連休、当地では宝福寺山のツツジ、犬ヶ岳のシャクナゲが楽しめますし、八屋祇園、宇島祇園とお祭りも続いて1年中で最も華やぐ季節です。人はあまり訪れませんが、轟地区ではフジが見頃となります。良寛和尚が

この宮のみ坂にみれば藤なみの花のさかりになりにけるかも

と詠っていますが、轟神社から集落へ向かう急峻な坂を少し登ったところでこのうたにぴったりの情景に出会うことができます。神社には樹齢200年を超すフジや、周囲の山に切り立った高い石崖に幾重にも垂れ下がったフジがあり、見事な花を咲かせるのです。ふる里を出た人たちがこの時期に帰ってきて、集落に残った人達と一堂に会し花見をしながらの宴を催し、集落のことについて話し合うようなことができれば…と思ったりしているところです。