九州北部の各地に大きな災害をもたらした豪雨が去り、長かった梅雨も漸くあがって、晴天が戻って来ました。早朝目を覚ますと、もう蝉が気忙しく鳴いているし、耕作放棄された田圃の草むらからは、キリギリスの声も聞こえてきます。隣家の庭では、百日紅(さるすべり)が強い日射しの下で、白、ピンク、薄紫の花を今を盛りと咲かせています。

   炎天の 地上花あり 百日紅    高浜 虚子

 轟の里の棚田がどうなっているのか気がかりだったので、登ってみました。棚田の石垣も畦道も全く無傷で何もなかったように稲は青々と茂っていました。区長さんによると、稲の生育は順調で収穫までもう1回くらい雨が降って、台風がこなければ豊作だろうとのこと。標高200m以上の棚田は涼しい風が吹き、梅雨明け宣言が出てから平地では姿を消していた赤トンボがすいすいと飛び交っています。暑さを避けてここまでやって来たのでしょうか。民家には、庭木や生け垣として木槿(むくげ)が植えられていて、白、薄紫の花が鮮やかに咲いています。朝方3時頃に開花した花は夕方にはしぼんでしまう「一日花」で、次から次へと毎日花を咲かせるので、「無窮花」ともいわれています。

   それがしも 其の日暮しぞ 花木槿  小林 一茶

 轟神社の横を流れる川の両岸には、夕方の4時頃でしたが合歓(ねむ)の木が可憐な花を咲かせ、周囲を蝶が舞い、蜂が何かに狙いを定めているかのように静止して翅を忙しげに動かしていました。

   合歓咲けり 蜂飄として 巣を忘る  飯田 蛇笏

 帰途、松江地区にあるミルキークイーンの圃場に寄ってみました。見事に穂の出揃った稲が風に揺れていました。ミルキークイーンは風に弱く、豊かに稔った頃に風が吹くと倒れてしまう危険性があるので、Tさんは梅雨入り前に、田の水を抜いて地面がひび割れするくらいに乾燥させたのでしっかりと根付いていました。お盆頃には収穫できるとのことで、心待ちにしているところです。
 申し訳ありません、「轟の里・棚田米」も品切れとなりました。現在の在庫は「夢つくし」「ひのひかり」だけです。新米入荷次第ご連絡申し上げます。