連日、30℃に近い暑い日が続いていますが、季節は着実に移ろっているようです。道の駅構内の桜が紅葉するのを見て、轟の里の彼岸花が気になって出かけました。
 高台に立って幾重にも重なる棚田の景観を眺めますと、既に収穫を終えた田圃では、碧く澄み渡った秋空のもと、残った稲株が黄褐色に輝いていますし、雑草をきれいに刈った畔や土手には、彼岸花が列をなして見事に花を咲かせています。渓流に沿って立つ柿の実は赤く色づいていますし、誰も手をつけられない急斜面にある栗は、実が今にも割れてこぼれそうな気配です。
 彼岸花は、日本では北は北海道から琉球列島まで見られ、自生ではなく中国から帰化したものといわれます。その経緯については稲作の伝来時に土と共に地下茎(球根)が混入してきて広まったといわれ、土に穴を掘る小動物を避けるため有毒な球根を持ち込み、畔や土手に植えられたと考えられています。水漏れ防止のために、棚田に穴を掘るモグラがやってこないよう、そのエサとなるミミズが嫌って土中に住まないよう彼岸花を植えてきたということです。
 秋には、轟の人々は総出で畔や土手の草刈りをします。それは雑草が生い茂ると彼岸花は芽を出さないからです。彼岸花の咲く美しい景観は、また人を呼ぶ大切な観光資源でもあるのです。
 高台を降りて畦に近づいてみると、赤い彼岸花に混じって黄色や白の花がところどころに見られます。これは、お米会員さんの中に、棚田ツアーに参加して以来、毎年こうした珍しい球根を届けて下さる方がいらっしゃるからなのです。
 また、今度豊前ロータリークラブでは、轟の景観を守り、地域住民にいつまでも元気で活躍してもらいたいという趣旨から、ロータリー財団の支援を得て、彼岸花の球根2,000個を寄贈して下さることに決定しました。10月19日(土)にロータリアンと地元青豊高校のインターアクトクラブの生徒さんが一緒に球根を植える作業を行う予定です。過疎地でしかも限界集落でもある轟地区にロータリアンが社会奉仕活動の眼を向け、ご支援くださることは、10年以上にわたり轟地区とのかかわりを持つ私達にとっても大きな喜びでもあります。また、このロータリーの取り組みは、地域活性化の一つのモデルともなる画期的な事業ではないかと思っています。
 今秋の「彼岸花とそばの花めぐり」は、私の私的事情で実施できませんでした。心よりお詫び申し上げます。