11月19日朝の出勤途中、車窓から見る豊前の山々は薄く雪化粧していました。轟の里の紅葉も見頃ではないかと思い出かけました。
 集落を抜けて山道に入ると、右側は雑木林。ケヤキ、クヌギ、クリ、コナラ、ミズキなどが黄色、褐色、紫色、その他とりどりに色づいて濃淡も様々な絵模様を描いています。右に眼を転じると小高い山が連なっていて、頂きには赤松があり、山肌は全体に常緑樹の濃い緑と雑木類の茶褐色に蔽われていて、その中にカエデ、モミジ、ハゼ、山桜などの紅葉が燃える炎のような紅色に染まっていました。車を降りて、谷底を覗くと稲刈りを終えた後のひこばえが黄緑色をした1枚の絨毯のように見えます。山の裾野はゆず畑。ゆずは実りの時を迎え、黄色に色づいています。近くには銀杏の大樹があって木全体が黄色一色を塗りつぶしたように鮮やかな彩りを見せています。小春日和のやわらかな日射しを浴びると、これらの木々の色々が渾然一体となって晩秋の野山を飾ります。錦秋とはまさにこの光景を表現したものなのでしょう。轟地域の住民は、紅葉の美しさは耶馬渓や英彦山よりウチが上と誇らしげに語りますが、その気持ちは理解できます。
 轟の里グループの作業所を覗いてみました。3人のご婦人がゆずこしょうの瓶詰作業も一段落して、丁度お茶の時間でした。栽培から加工まで手造りのお茶と干し柿を御馳走になりました。絶妙な取り合わせで、その美味しさに感動しました。11月24日の「ゆず祭り」でまたお会いすることを約束して、「ゆずこしょう」と「ぎんなん」をお土産に戴いてお別れしました。
 少し下って「川底柿グループ」の加工所に立ち寄りました。今はペースト用ゆずの仕込みの時期とあって、何ともいえないゆずの良い香りが立ち込める中で、10人の女性が農家から大量に持ち込まれるゆずを洗浄し、輪切りにして種を取る作業に追われていました。今年は輸出関連業者やドレッシング製造業者向けに販路を拡大しており、現在1年間分の販売に向けた仕込みをせねばならないので、大変な忙しさなのです。さらにこのグループも24日のゆず祭りで販 売する「ゆずカルカン」づくりも重なってまさにてんてこまいの忙しさ。「頑張ってください。」とだけ言って、這う這うの体で帰ってきました。
 本年は夏の雨不足と暑さとで野菜不足でしたが、このところ漸く冬野菜も出揃ってきました。海産品では、ワタリガニ、ヨシエビのシーズンとなりました。ご来駅をお待ちしております。