新暦の3月19日は二十四節気の雨水。(日本の七十二候を楽しむ)によると、『雨水の初候』は土脈潤い起こり、早春の暖かな雨が降り注ぎ、大地がうるおいめざめる頃とある。今年は殊の外寒気が厳しく、遠く望む豊前の山々には残雪があって吹く風も肌を刺すように冷たい。それでも季節は確かに移ろっていて、道の駅おこしかけの河津桜をみると、蕾は黄緑色に大きく膨らみ、中には先端がかすかにピンク色に染まっているものもある。静豊園の桜広場に出かけましたが、こちらの桜も蕾は大きくなり、日当りのよい所ではもう1分咲きです。広く張った樹の枝は、いずれも濃い紅紫色に輝いていて精気が充満しているといった感じです。この姿を見て、私は染色家志村ふくみさんの「一色一生」の1節を思い出しました。「…まだ折々粉雪の舞う小倉山の麓で桜を切っている老人に出会い、枝を頂いて帰りました。早速煮出して染めてみますと、ほんのりとした樺桜のような桜色が染まりました。その後、桜、桜と思いつめていましたが、桜はなかなか切る人がなく、たまたま9月の台風の頃でしたが、滋賀県の方で大木を切るからと聞き、喜び勇んで出かけました。しかし、その時の桜は3月の桜と全然違って、匂い立つことはありませんでした。その時はじめて知ったのです。桜が花を咲かすために樹全体に宿している命のことを。1年中桜はその時期の来るのを待ちながらじっと貯めていたのです。知らずしてその花の命を私は頂いていたのです。それなら私は桜の花を、私の着物の中に咲かせずにはいられないと、その時桜から教えられたのです。植物には全て周期があって、機を逸すれば色は出ないのです。たとえ色は出ても、精ではないのです。花と共に精気は飛び去ってしまい、鮮やかな真紅や紫、黄金色の花も、花そのものでは染まりません。…花は紅、柳は緑といわれるほど色を代表する植物の緑と花の色が染まらないということは、色即是空をそのまま物語っているようにも思われます。植物の命の尖端はもうこの世以外のものに触れつつあり、それ故に美しく、厳粛でさえあります。」

 《河津桜観賞会のご案内》
日 時  平成26年3月9日(日)午前10時集合
ガイドさんを交えたミーティングの後、10時半ごろ出発 正午頃道の駅帰着予定
コース  道の駅→中津街道→JR豊前松江駅→おこしかけ由来の地→河津広場→勅使街道→道の駅
参加人員  50名 満員になり次第締め切り
参加費  500円(昼食代金)
領収書の代わりに600円の金券をお渡しします。屋台村での昼食や物産館でのお買物にご利用下さい。
※雨天の場合は中止
申込受付  電話0979-84-0544 FAX0979-84-0545