9月23日参加者を案内して「彼岸花とそばの花めぐり」に行ってきました。当日は薄日の漏れる天候で、暑くもなく絶好の日和に恵まれました。最初に訪ねたのが市内挟間の千手観音堂。鬱蒼とした樹木を背景に立つ御堂の中に千手観音菩薩像はやさしく微笑みながらも威厳のあるお姿で佇立しておられました。平安時代後期、当地にこのような仏像が誕生したことも驚きですが、以来多くの人の信仰を集めてきたことも、地域の誇りではないでしょうか。昔、母乳の出の悪い母親がここの湧水でお粥を炊いて食べたところよく出るようになったという伝説から別名「乳の観音」とも呼ばれて、人々に親しまれてきました。国指定重要文化財であることから、常時拝観はできませんので、保存会の責任者にお願いして開廟していただきました。境内には大きな銀杏の樹もあってようやく黄葉が始まっており、熟れた果も散り落ちていました。隣接する公園では、彼岸花が一面に咲き乱れていました。佐井川に架かる新観音橋から下に眼をやると早瀬では小鮎か鮠なのか多くの小魚が銀色に体を輝かせていました。
 轟神社の前の棚田では、鹿・猪の侵入を防ぐため鉄の柵が設けられ中に入ることができませんでした。段々畑の畦では、3年前から豊前ロータリークラブと青豊高校インターアクトのメンバーで毎年2,000以上の球根を植えてきたのに、まばらにしか咲いていません。地区の人に聞くと、鹿・猪などが走り回って球根を掘り起こして川に流れてしまうとか。しかし、神社の周囲の畦ではお米会員さんの好意で届けられた黄色の彼岸花が今を盛りと見事な景観でした。地区のご婦人が外から人を招いて地域を活性化しようと棚田に彼岸花を植え始めてから15年。獣害などで道半ばです。一時は人口200名を超えた時期もあったが、現在は36名。その中でも8軒の農家が米作りをし、地域を支えています。棚田の新米も間もなく販売を始めます。
 今年は雨が多くソバの種まきが遅れ、いま漸く芽の出たところ。アジサイランドの集会所で昼食にソバ定食をいただきました。ソバうちの現場を見学しながらの食事。「新米のおにぎり」と「ざるそば」にツワ蕗の佃煮、野菜の煮しめ、ゆず、うりの味噌漬けと「だんご汁」。材料は全て地域産。誰一人としてお米一粒残す人もなく、完食。見事なものでした。清々しい気持ち。コースの終わりは卜仙の郷で入浴。〆はアイスクリーム。皆さん満足された様子。
 豊前市は今、東九州自動車道の全面開通を控えて、取り巻く環境は一変しようとしています。豊前の歴史、文化、自然、食、温泉など施設をあるがままに外部にどうアピールし、存在感を増してゆくのかが問われています。我々もその努力を一層高めていかねばならないと考えている次第です。